朝の開店準備で「キーキーと耳障り」、荷捌きの最中に「ガタガタと振動音」、閉店時に「ドスンと鈍い衝撃音」。
シャッターの異音は、たいてい故障の“予告編”です。
放置すれば動作不良や挟み込み、最悪は落下トラブルへと発展し、修理費用が一気に高騰します。
本コラムでは、関西(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)での現場実績を踏まえ、音の種類から当たりをつける原因診断、修理費用の相場と内訳、自分でできる一次対処、そして費用を抑える具体策までを、やさしく・網羅的に解説します。
「いま呼ぶべき?」「明日まで様子を見るべき?」そんな迷いを解き、プロに相談するかどうかの“判断基準”も明確にしていきます。
なぜ“異音=費用”なのか?放置コストと早期対応の差
異音は摩擦増大・位置ズレ・劣化・電装の不調のいずれか(または複合)で発生します。
初期なら清掃・潤滑・軽微調整(数千~数万円)で収まる一方、悪化すると部品交換(数万~十数万円)、さらに重症化でモーター・制御盤交換(十数万~数十万円)へ。
つまり、聞こえ始めたタイミング=最も安く直せるタイミングです。
費用を抑えたいほど、早めの診断が合理的です。
音の“聞こえ方”で分かる主原因と修理費用の目安
現場ではまず音の種類・出る位置・タイミングを手掛かりに原因を絞り込みます。
下の表は、よくある異音のパターンと想定原因/安全度/一次対処/概算費用レンジの対応表です。
数字は現地のサイズ・台数・時間帯で増減しますが、相場感を知るためにご活用ください。
聞こえる音・場面 | よくある原因 | 危険度 | まず試すこと(DIY可) | 修理費用の目安* |
---|---|---|---|---|
キーキー/キシキシ(連続的な金属音) | レール内の汚れ・潤滑不足、下端ゴムの擦れ | 低~中 | レール清掃→薄くシリコン潤滑 | 5,000~30,000円 |
ガタガタ/カタカタ(振動音・バタつき) | 取付金具・ガイドの緩み、スラット端の微変形 | 中 | 見える範囲のビス軽増し締め/清掃 | 10,000~50,000円 |
ゴリゴリ/ジャリジャリ(抵抗感を伴う) | 砂・小石噛み、レール腐食、スラット歪み | 中~高 | 異物除去→改善なければ使用中止 | 20,000~90,000円(矯正・部分交換) |
ドスン/バン(末端での衝撃音) | 下端ゴム硬化・膨れ、ロック噛み | 中 | 下端清掃・ロック確認 | 10,000~40,000円(下端ゴム交換 等) |
ウィーン高音/ブーン低音(電動) | モーター軸受劣化、ブレーキ固着、リミットずれ | 中~高 | 冷却休止・電源リセット・センサー清掃 | 20,000~120,000円(調整~整備) |
ガラガラ周期音(電動・巻上げ時) | チェーン/ベルト伸び・歯飛び | 中 | DIY不可(二次損傷の恐れ) | 30,000~80,000円(張替・調整) |
ギギッ一発音/バキッ | スラット大変形・干渉、シャフト系不良 | 高 | 使用停止→プロ診断 | 50,000~200,000円(交換含む) |
※表示は工賃・軽部材込みの概算。夜間・高所・重量シャッター・電装交換などで増減します。
まずやるべき“安全な一次対処”
「すぐにプロを呼ぶべき?」の前に、誰でも安全にできる範囲だけ整えておくと、出張後の作業時間=費用が抑えられることがよくあります。
逆に、無理な潤滑・力技は悪化の元。線引きを明確にしておきましょう。
1) レールの異物除去と乾拭き
黄砂・雨後・台風後は、レールに砂・小石・ラベル片が溜まります。
ここが異音の8割の出発点。まずは“乾いた状態”で、ブラシ→掃除機→乾拭きの順に。
- NG:高圧洗浄(電装に浸水)/金属たわし(傷→錆)
- コツ:レール奥は細いノズルで吸い、最後に乾拭きで塩分や微粉をオフ
2) 潤滑は“薄くピンポイント”——シリコン系一択
「油をたっぷり」は誤り。埃を抱き込み、数日で再発します。
無溶剤のシリコン系を、レール内側に点在噴霧→布で均すが基本。
- NG:グリス厚塗り/浸透潤滑油(ベタつき・再発の温床)
- 目安:年1~2回、または音が出始めたら極薄で
3) 見える範囲の軽い増し締め(床~腰高)
ガイド固定のビスが明らかに緩んでいるときだけ、軽く。レール自体を歪ませる力は厳禁。
- NG:レールのこじり矯正/高所の増し締め(墜落・歪みリスク)
4)(電動)センサー清掃・電源リセット
途中停止・反転=センサー誤検知や熱保護のケースが多数。
レンズを柔らかい布で清掃し、専用ブレーカーOFF→30秒→ONでリセット。
- NG:制御盤分解/接点復活剤の噴霧(基板損傷リスク)
※作業中止の判断
金属が削れる音/大きな傾き/手を離すと落下傾向。
この3つが一つでもあれば即停止→プロへご相談ください。
「修理費用の内訳」を知る
同じ「異音修理」でも、見積りの項目構成で納得感が変わります。
どこに工数がかかるのか、追加が出やすい条件を理解しておくと、費用対効果の判断がスムーズです。
- 出張・診断費:現場到着~点検・原因特定の基本料金
- 作業工賃:清掃・調整・試運転の時間単価(目安1~2名×0.5~2.0h)
- 部品代:下端ゴム/ライナー/スラット/チェーン・ベルト/センサー 等
- 高所・夜間加算:4m超の脚立・足場/深夜・早朝帯など
- 養生・清掃:店舗前・通路確保の養生、作業後の清掃
- 交通・駐車:大型車両搬入・有料駐車が必要な場合
納得ポイント:「部品の在庫可否」と「作業時間見込み」が金額差に直結。
写真や動画を事前共有すると精度の高い概算が出せます。
代表ケース別の作業内容と費用・時間の目安
関西で頻度の高いパターンを、症状→実施作業→費用帯→時間の順で整理しました。
サイズ・設置環境で前後しますが、初期対応の判断軸になります。
ケースA:レール摩擦音(キーキー)・軽微
最も多い“音トラブル”。レール・幅木周りの微粉・塩分が原因のことが大半。
- 作業:レール徹底清掃→薄潤滑→試運転・微調整
- 費用:5,000~30,000円
- 時間:30~60分/台
ケースB:バタつき・ガタつき(ガタガタ)・固定緩み
振動源は固定金具の緩みやライナー劣化。走行時だけ音が増えるのが特徴。
- 作業:固定の増し締め/ライナー交換・調整
- 費用:10,000~50,000円
- 時間:45~90分/台
ケースC:抵抗音(ゴリゴリ/ジャリジャリ)・異物/腐食
砂噛み・腐食が進むと、スラット端が削れて金属粉が出ることも。使用中止推奨。
- 作業:異物除去/レール研磨・矯正/必要に応じスラット端補修・交換
- 費用:20,000~90,000円
- 時間:60~150分/台
ケースD:末端衝撃音(ドスン)・下端ゴム・ロック
下端ゴムの硬化・膨れやロック噛みで、閉止時に衝撃。放置で下地変形の恐れ。
- 作業:下端清掃・調整/下端ゴム交換/ロック調整
- 費用:10,000~40,000円
- 時間:30~90分/台
ケースE:(電動)モーター音・唸り(ブーン)・ブレーキ固着
熱保護解除待ちやリセットで収まることもあるが、再発は整備対象。
- 作業:ブレーキ整備/リミット調整/ベアリング給脂・交換
- 費用:20,000~120,000円
- 時間:60~180分/台
ケースF:(電動)チェーン/ベルトの周期音(ガラガラ)
伸び・歯飛びは二次損傷(スプロケット摩耗)に直結。DIY不可。
- 作業:張り調整/チェーン・ベルト交換/スプロケット点検
- 費用:30,000~80,000円
- 時間:90~180分/台
ケースG:一発異音(ギギッ/バキッ)・大変形
外力(車・台車・強風等)でスラットやガイドが大きく歪み。使用継続は危険。
- 作業:矯正不可なら部分交換~ユニット交換
- 費用:50,000~200,000円超
- 時間:現地状態次第
関西の現場での実例と費用リアル
地形・気候で症状は変わります。
沿岸の塩分・盆地の結露・黄砂・台風など…。
関西ならではの背景で生じた実例と費用をご紹介します(台数・サイズ等で変動)。
- 大阪市港区/倉庫:黄砂後のキーキー。レール清掃+薄潤滑で13,200円。
- 神戸市兵庫区/駐車場:海風エリアのジャリ音。異物除去+端部補修で38,500円。
- 和歌山市沿岸/工場:ドスン強。下端ゴム交換+床面清掃で27,500円。
- 京都市南区/店舗:(電動)ブーン再発。ブレーキ整備+リミット再調整で55,000円。
- 堺市西区/物流:(電動)ガラガラ。ベルト交換・整列で68,200円。
ポイント:早期呼び出しほど軽作業で終了しがち。悪化後は部品交換が増え、単価が上がります。
修理費用を抑える7つのコツ
「安く・早く・確実に」直すカギは、事前共有の質と依頼のタイミング。
以下は現場が本当に助かる7ポイントです。
プロに依頼する際にぜひ意識してみてください。
- 音の動画(10~20秒):音質が原因特定の近道。
- 発生位置と再現条件:中間? 末端? 雨後? 朝だけ?
- サイズ・台数・高さ:脚立・人員・部材の事前手配に直結。
- 前回メンテ時期:劣化か突発かの判断材料。
- 写真3枚:全景/レール近景/下端・床。
- 複数台は一括:出張・段取りをまとめてコスト最適化。
- 早期相談:再発時に“様子見”しない。軽作業のうちに。
保険・保証・経費処理など知って得する費用の扱い
「保険で出せる?」「保証は?」
このような点がきになる方も多いのではないでしょうか?
費用負担の判断材料も早めに確認しましょう。
適用可否は事案・契約により異なります。
- 保険:台風・飛来物・車両接触など外力起因なら、施設・店舗保険が適用されるケースあり。摩耗・経年・予防整備は対象外が多め。
- メーカー保証:新設・交換後の初期不良は期間内なら無償・減額の可能性。勝手改造・不適切メンテは対象外。
- 経費処理:法人は修繕費(軽微)/資本的支出(価値増)を経理と要相談。見積に作業・部品の内訳があると仕訳がスムーズ。
DIYの限界と“プロを呼ぶべきタイミング”
費用を抑えるためのDIYは「安全・清掃・薄潤滑」まで。
スプリング張力・レール矯正・電装分解は、ケガと高額化の最短ルートです。
下記は即プロ案件ですので、無理せずプロに頼ってください。
- 手を離すと落下・止まらない
- 金属が削れる大音量・金属粉の付着
- 大きな斜行・スラットの波打ち・脱線の恐れ
- (電動)ブレーカー再落ち・焦げ臭
- 防火シャッター(法令・資格が絡む)
・依頼の流れ:連絡→無料現地診断→見積→作業→試運転・報告→保証。
・持ち物:現場住所/連絡先/動画・写真/希望日時/台数・高さ。
よくある質問(費用編)
問い合わせ前に解消しておきたい“お金まわり”の疑問をまとめました。
迷ったら無料相談をご利用ください。
Q1. 見積りは無料ですか?
A. 無料です。現地での原因特定後、明細付きでご提示します。
Q2. 夜間・早朝は割増になりますか?
A. 建物ルールや安全配慮が必要な時間帯は時間外加算が発生する場合があります。事前に可否も含めご案内します。
Q3. 部品を交換しない清掃・調整だけで頼めますか?
A. 可能です。清掃・潤滑・調整のみの軽作業プランもあります。原因次第では交換をご提案する場合があります。
Q4. 法人の請求書・振込対応は?
A. 請求書発行・振込に対応。月締め・検収書等もご相談ください。
Q5. 何台かまとめると安くなりますか?
A. 同一現場・同日にまとめると、段取り効率化で総額が下がることがよくあります。
Q6. どれくらいの確率で“清掃だけ”で直りますか?
A. 体感では軽症の約半数が清掃+薄潤滑で改善。再発する場合は、ガイド・端部・駆動部の整備で安定します。
まとめ
1)放置しない
2)安全な一次対処(清掃・薄潤滑)だけ
3)基準に当てはまれば即プロ
これが費用最小化の王道です。
異音が小さいうちに手を打てば、作業も費用も小さく済みます。
- 小さなキーキー=清掃・薄潤滑で最小コストへ
- 抵抗・斜行・電装の唸り=早期の点検・調整で部品交換回避
- 大音量/落下傾向=使用停止→即日対応で安全確保
「今日の営業までに音だけでも静かにしたい」「見積りだけ先に知りたい」
そんな場合は、シャッター119にお任せください。
シャッター119は大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀をカバーし、無料診断・明朗見積で迅速対応します。
動画や写真を送っていただければ、精度の高い概算をご案内可能です。
お気軽にご相談ください。
【ご依頼の流れ】
- 点検:まず、シャッターの損傷箇所を点検します。
- 見積もり:修理にかかる費用を見積もります。
- 修理:必要な部品を交換し、シャッターを修理します。
- 動作確認:修理後、シャッターが正常に動作するか確認します。
修理は、必ず依頼いただいたお客様とお話し、ご納得いただいた上で開始させていただきます。
「当初の見積もりよりも部品の発注をしないといけなくなりそう」「費用がかかりそう」だと判断した場合は、必ず手を止めて再度ご提案をさせていただきます。
いきなり修理を始めて、修理後にビックリする金額を請求するようなことはございませんのでご安心ください。
