台風や落雷などで突然停電が起きると、電動シャッターが動かなくなり「車が出せない」「店を開けられない」と慌ててしまう方が少なくありません。しかし、ほとんどの電動シャッターは停電時でも手動で開閉できる仕組みが備わっています。
この記事では、停電時に電動シャッターを外から手動で開ける方法、三和・文化・YKK・LIXILといったメーカー別の切り替え方、そして停電復旧後に動かない時のリセット方法まで、順を追って解説します。
電動シャッターは停電時でも開けられる?仕組みと安全装置の基本
停電で電動シャッターが動かなくなる理由
電動シャッターは、モーターの力でシャッターを巻き上げる構造です。停電すると当然モーターが動かなくなり、リモコンや壁のスイッチを押しても反応しなくなります。さらに、電動シャッターにはモーター内部にブレーキ(シャッターが自重で落ちないよう固定する機構)が組み込まれているため、停電中はシャッターが「ロックされた状態」になり、力ずくで押し上げることもできません。
停電時に役立つ安全装置の種類
多くの電動シャッターには、停電を想定した安全装置が用意されています。
| 装置の種類 | 役割 |
|---|---|
| 手動切り替え装置 | モーターのブレーキを解除し、手動で開閉できる状態にする |
| 手動チェーン | シャッターケース内のチェーンを引いて巻き上げる(店舗・ガレージ用に多い) |
| 非常用解錠キー | 外から鍵を使って手動切り替えを行う |
| バッテリー式バックアップ | 停電時も一定回数は電動で開閉できる(対応機種のみ) |
どの装置が付いているかは機種によって異なるため、まずはご自宅のシャッターの取扱説明書やシャッターケースの表示を確認しておくと安心です。
停電時に電動シャッターを外から手動で開ける方法と操作手順
作業前に必ず確認すること
- シャッターの下や周囲に人や物がないこと
- リモコンや壁スイッチが本当に反応しないこと(電池切れとの見分け)
- ブレーカーが落ちているだけではないか(停電ではなく漏電遮断の可能性)
内側から手動に切り替える基本手順
- シャッターケース(上部の収納ボックス)付近にある手動切り替えレバーまたはワイヤーを探します
- レバーを引く、または回してモーターのブレーキを解除します
- シャッター下部の取っ手を持ち、ゆっくりと持ち上げます
- 開けきったら、シャッターが落ちてこないようストッパーや鍵で固定します
外から手動で開ける方法
外出先から帰宅した際など、内側に入れない状況では以下の方法が使えます。
非常用解錠キーを使う
シャッター本体や柱に小さな鍵穴がある機種は、専用の非常用キーを差し込んで回すことで、外からブレーキを解除できます。非常用キーは普段使わないため、保管場所を家族で共有しておくことが重要です。
外から開ける手段がない場合
窓シャッターなど、外部からの解錠機構がない機種は、防犯上の理由から外から開けられない設計になっています。この場合は勝手口など別の入口から内側に回るか、業者へ連絡してください。
手動操作時の注意点
- 大型のシャッターは数十キロ以上あるため、無理に持ち上げない
- 途中で手を離すと落下するため、必ず開け切るか閉め切る
- 手動状態のまま電源が復旧しても、切り替えを戻すまで電動では動かない
三和・文化・YKK・LIXILなどメーカー別の手動切り替え方法
手動切り替えの考え方は共通ですが、操作部の位置や方式はメーカーごとに違いがあります。
| メーカー | 主な手動切り替え方式 | ポイント |
|---|---|---|
| 三和シャッター | 手動チェーン、切り替えレバー、非常用キー | 店舗用は手動チェーン式が多い |
| 文化シャッター | 切り替えレバー、非常用キー | 停電後の自動復帰機能付き機種もある |
| YKK AP | 窓シャッターは手動ハンドル、ガレージは切り替えレバー | 内側からの操作が基本 |
| LIXIL(旧トステム) | 切り替えつまみ、手動ハンドル | 復旧後にリセット操作が必要な機種が多い |
三和シャッターの手動切り替え
店舗や工場向けの製品では、シャッターケース横から垂れている手動チェーンを引いて開閉する方式が主流です。住宅用のガレージシャッターでは、切り替えレバーを操作してから手で持ち上げます。
文化シャッターの手動切り替え
切り替えレバーで手動モードに変更する方式が中心です。停電から復旧すると自動で電動モードに戻る機種もあるため、取扱説明書で確認しておくと復旧作業がスムーズです。
YKK APの手動切り替え
窓用の電動シャッターは、室内側のカバーを外して手動ハンドルを差し込み、回して開閉する方式が一般的です。ガレージ用は切り替えレバーを操作します。
LIXIL(旧トステム)の手動切り替え
切り替えつまみを回してブレーキを解除する方式が多く見られます。復旧後は初期設定やリセット操作が必要な機種があるため、手動で開けた後の手順もあわせて確認しておきましょう。
停電復旧後に電動シャッターが動かない時のリセット方法と対処法
停電後に動かなくなる主な原因
- 手動モードのまま電動モードに戻していない
- 停電時の電圧変動で制御基板(シャッターの動作を制御する電子部品)がエラー状態になっている
- リモコンと本体の通信設定がリセットされている
- ブレーカーが落ちたまま、または漏電遮断器が作動している
まず確認したいブレーカーと電源
電動シャッター専用のブレーカーが落ちていないか、分電盤を確認します。復旧したはずなのに動かない場合は、一度ブレーカーを「切」にして1分ほど待ち、再度「入」にすることで制御基板の一時的なエラーが解消することがあります。
メーカー別リセット方法の目安
- 三和シャッター:操作盤の「停止」ボタンを数秒長押し、または電源の入れ直し
- 文化シャッター:電源の入れ直し後、上限・下限位置の再設定が必要な場合がある
- YKK AP:電源を入れ直し、リモコンの再登録を行う
- LIXIL:切り替えつまみを電動側に戻したうえで、リモコンのペアリングをやり直す
リセット手順は機種ごとに異なるため、取扱説明書に記載の手順を優先してください。
リセットしても直らない場合
- 手動操作後にレバーが完全に戻っていない
- 落雷によって制御基板やモーターが故障している
- 停電中に無理な操作をしてスラット(シャッターの面を構成する細長い板)やレールが変形している
これらは自分で対処すると悪化するおそれがあるため、専門業者への点検依頼をおすすめします。
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